【映画レビュー】勇気の独演「独裁者」
【独裁者】
キャスト
監督
出演
- チャールズ・チャップリン(役名 トメニア国の独裁者アデノイド・ヒンケル)(役名 ユダヤ人の床屋)
- ポーレット・ゴダード(役名 ハンナ)
- ジャック・オーキー(役名 バクテリア国の独裁者ベンツィーノ・ナパロニ)
- ヘンリー・ダニエル(役名 内相兼宣伝相ガービッチ)
-
レジナルド・ガーディナー(役名 シュルツ中佐)
※私自身が印象深かった出演者を表示させていただいております。
あらすじ
とある歴史上の物語。
国家のトップであるヒンケル(チャップリン)は、世界を我が物にしようとしていた。
ユダヤ人の迫害を始め、独裁者の名を広め始めていた。
ユダヤ人の床屋(チャップリン)は、第一次世界大戦を終え、床屋業を再建し始めていたが、迫害の元では再建もままならなかった。
ある時、容姿がそっくりであるため、国家のトップであるヒンケルと間違えられてしまう。
この事件をきっかけにユダヤ人である床屋はヒンケルとして扱われるようになる。
国民が集った集会場に案内された床屋はヒンケルの代わりに演説を行う羽目になってしまう。
感想
私が今まで素晴らしい作品など言っているが、10点をつけていなかった理由の一つにチャップリンという存在がありました。
彼の作品を差し置いて10点はつけれないと思ったからです。
点数をつけることそのものがおこがましいですが………。
チャップリンの他の作品は今後機会があればのせていきます。
彼の作品は素晴らしいとはほとんどの人が言うでしょう。
その多くの作品(全部見たわけではないが)の中でも私はこの『独裁者』が好きです。
ナチスドイツのヒトラーにおけるホロコーストの時代、その時代にヒトラー本人を演じ、映画にしたチャップリンに感服せざるを得ません。
この作品は1940年に作成されました。
この作品は人生で何度見ても考えさせられる映画です。
映画が好きな人も、嫌いな人も、白黒映画が嫌いな人も、一度は見て欲しいです。
チャップリンの映画特有の笑いを含んだ社会風刺。
笑いの先に奥深さがあります。
ヒンケルが地球儀で戯れる様子や自画像を書かせる様子など、当時の様子を滑稽に映し出した名シーンが沢山あります。
リアルタイムで当時の異様な様子を感じ取っていたのでしょうね。
それを映画にして放映するなんて、(何度も言いますが)勇気の塊ですね。
もし万が一、ドイツが戦争に勝っていたら確実にチャップリンはつるし上げられたでしょう。
私が好きなシーンはやはり最後の演説。
これは共感される方も多いと思います。
序盤から最後の演説までは、笑えるシーンを含みつつストーリーが進むのですが、最後は迫真の演説を魅せます。
映画史に残る素晴らしい作品だと思います。
繰り返し言いますが、古い映画・白黒映画だからと鑑賞を敬遠されている方、ぜひ見てください。
評価 10点(ほんとチャップリンの映画を評価するなんておこがましいが………)