【映画レビュー】男同士の掛け合い「パルプフィクション」
出演
ジョントラボルタ(役名 ヴィンセント・ベガ)
サミュエルLジャクソン(役名 ジュールス・ウィンフィールド)
ユマ・サーマン(役名 ミア・ウォレス )
ブルースウィリス(役名 ブッチ・クリッジ)
ティムロス(役名 パンプキン)
あらすじ
本ストーリーは、複数の出来事があらゆる形で交錯していく。
マフィアの手下であるヴィンセント・ベガ(ジョン・トラボルタ)とジュールス・ウィンフィールド(サミュエルLジャクソン)のとある日常がメインでストーリーは進み始める。
一方、ブッチ(ブルース・ウィルス)は八百長ボクシングで一攫千金を狙っていた。
八百長を仕組んだ張本人はマフィアのボスであり、少しずつ物語は交錯していく。
感想
まさしくクエンティン・タランティーノらしい映画ですね。
物語はオムニバス形式になっており、それぞれの章が少しずつ重なっていくことで、全貌が見えてきます。
パルプフィクション=くだらない話
というように、とある人間たちの日常とトラブルを描いています。
この作品は好き嫌いがわかれる映画だと思いますが、はっきり言って私は好きです。
クエンティン・タランティーノ監督の特有である、俳優陣のやり取りや言葉の使い方、仕草などの演出がかっこいいです。
特にただ日常の会話をしている、ベガとウィンフィールドの会話が好きで、ものすごくクールに演出されています。
映画全体としては、短編映画をつなぎ合わせたようになっていますが、役者人が主役級の方たちばかりで、演技力は申し分ありません。
個人的に好きなシーンは映画の冒頭のです。始まり方が気持ちを上げてくれます。
パンプキン(ティム・ロス)は「海の上のピアニスト」以来、久しぶりにその顔を見たので初めは気づきませんでした。(笑)
監督のクウェンティンタランティーノは大の映画好きなため、今作品にもパロディとして他の作品のシーンを真似たところがあるらしいです。(モチーフの映画は知らない)
また、本作に監督自身も出演しています。
個人的にクエンティン・タランティーノの作品はクールな掛け合いを演出するのが非常に上手な監督だと思っています。「パルプフィクション」や「レザボアドッグス」、「イングロリアス・バスターズ」では、そんなかっこいいやり取りが見られるのでお勧めです。
まずは「パルプフィクション」から見てみるのがおすすめですね。
評価 7点
【映画レビュー】タイムスリップの王道「バックトゥザフューチャーpart1」
【バックトゥザフューチャーpart1】
監督
制作総指揮
出演
- マイケル・J・フォックス(役名 マーティ・マクフライ)
- クリストファー・ロイド (役名 エメット・ブラウン博士(ドク))
- トーマス・F・ウィルソン(役名 ビフ・タネン)
※私自身が印象深かった出演者を表示させていただいております。
あらすじ
主人公マーティ(マイケル・J・フォックス)は、青春まっただ中の高校生。
ある日、知り合いの博士ドク(クリストファー・ロイド)に、
「実験は成功したので、今夜見に来てほしい。」と連絡を受ける。
言われたとおり実験場へ行くと、ドクはリモコンで車を走らせ始める。
その車は時速120キロを超えたあたりで、消えてしまった。
1分後に先ほど消えた車が同じ場所に出現する。
そう、ドクはタイムマシンを発明したのであった。
しかし、このタイムマシンには問題があり、燃料が核物質ということ。
一般には中々手に入らない核物質を、ドクは反社会組織の過激派から入手したのであった。
それをマーティが知ったとき、後ろから過激派の車が登場し、ドクは銃で撃たれて殺されてしまう。
マーティは、先ほどの車型タイムマシン(デロリアン)に乗り込み、
必死に逃げようとする。
気づいたとき、120キロを超えるスピードがでており、彼はどこか違う時代へ飛ばされてしまった。そして車には、帰りの燃料は積まれていなかった。
感想
3部作としても1つの作品としても素晴らしい脚本ですね。
最初に見たのは小学生の時ですが、大人になった今見ても面白いと思いました。
こういう作品こそ不動の名作と言うのでしょう。
part1は物語の始まり。
タイムトラベルによっておこる1つのトラブルが徐々に大きな問題に広がっていきます。
帰りの燃料を持たずにタイムトラベルをしたマーティーは果たしてどうなるのでしょうか。
キャラクターの個性がはっきりしていて、見ていて爽快です。
個人的にはクリストファー・ロイドのドクが好きです。オーバーすぎる演技が作品と絶妙にマッチしています。
クリストファー・ロイドというより、ドクで認識している人が多いのではないでしょうか?
彼は「カッコーの巣の上で」や「マンオンザムーン」など他の有名作品にも出演していますが、バックトゥザフューチャーをみた後だと全部ドクに見えます笑
今作品は3部作で、3作品それぞれが面白いというのも珍しいです。だいたいの作品は続編が作られるに従い、人気がなくなっていくものですが、その点も素晴らしいと思います。今後、シリーズ物映画に関しては特集を組んでみたいと思います。
そして様々な場面で伏線が張られていたり、ちょっとした変化が起きていたりと、細かいところまで楽しむことができます。
小さいときや若いときに一度見たことがある方は、今見るとまた違った気づきがあるのでおもしろいですよ。
あともう一つ好きなところがあって、ラストの「To be continue」が出てくるまでの盛り上げ方が非常に上手なところです。一難去ってようやく落ち着いたかと思うと、見ている側を裏切るかのように新たなストーリーが展開していきます。何度見てもドキドキわくわくします。
記事を書いていて知りましたが、主演のマイケル・J・フォックスは30歳の若さでパーキンソン病になっているそうです。そのため、自身でマイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団を設立したり、自伝を書いたりしているんだそうです。
一作目が今後の作品に繋がる大きなものとなったので
評価 10点
【映画レビュー】世界の人気者「トゥルーマンショー」
【トゥルーマンショー】
キャスト
監督
出演
- ジム・キャリー(役名 トゥルーマン・バーバンク)
- エド・ハリス(役名 クリストフ)
- ローラ・リニー(役名 メリル・バーバンク)
- ノア・エメリッヒ(役名 マーロン)
- ナターシャ・マケルホーン(役名 ローレン・ガーランド)
※私自身が印象深かった出演者を表示させていただいております。
あらすじ
彼はどこかにある離島の保険会社に勤める、元気で明るい青年で周りの人に笑顔を与えていた。
幼い時から冒険に対して非常に興味を持ち、離島から外に出てみたい欲求があったが、父親を海で亡くした経験から水恐怖症のトラウマのため夢を叶えられずにいた。
ある日、亡くなったと思っていた父親が急に彼の目の前に現れるが、周りの人間が父親を強制的にバスに乗せて連れ去るという不思議な出来事がおこる。そして立て続けに自分が何か新しい行動をすると必ず突発的な邪魔が入り、周りへの不信感を持ち始める。
それもそのはず、彼は生まれたときから現在に至るまで、リアルな人間ドラマ「トゥルーマンショー」の主人公なのであった。24時間監視され、行動を制限されていた。父親の水難事故も演出の一つであり、彼の人生は操られたものだったのだ。
番組「トゥルーマンショー」は、ディレクターであるクリストフ(エド・ハリス)の考える演出によって、世界的な人気を獲得しており、彼はまさに外の世界ではスーパースター的存在となっていた。
周りの異変に気付いた彼は、何とか外の世界に出ようと試みるのであった。
感想
ジム・キャリーはご存知の方が多いと思いますが、卓越した演技でヒューマンドラマとコメディの両方をこなす俳優の一人です。私の頭の中のイメージとしては、下の図のようになってます(笑)。
特にこの2つのジャンルを得意し、どちらにも寄せることができる印象です。
サスペンスとかホラーの映画にはあまり出ていませんね。
この「トゥルーマンショー」はちょうど真ん仲のあたりなので、両方の一面を見られる作品になっています。コメディ色を強くすると、ジム・キャリーは面白すぎるので、コメディ全開の作品を見たい方は「マスク」「イエスマン」などをがおすすめです。
カメラの位置がトゥルーマンに見えないような位置から撮影しているため、私たちも「トゥルーマンショー」の視聴者になります。
一方トゥルーマンの立場にも感情移入することができ、24時間監視されているということに不安や恐怖を感じていきます。
世界中を冒険したいという夢を彼は実現できるのでしょうか。
1998年の作品ですが、現在はYoutubuやTwitter、Instagramで自分の日常を世界に公開する人も増えています。いつか映画のような番組ができても不思議ではないですよね。もちろん人権に問題がありますが、、、(笑)。
そしてこの映画からは一歩を踏み出す勇気を与えられるような気がします。定型的な日常を送っていて、自分が何かをしたい、何かを変えたいと思うことがあっても、中々人って行動できないものですし、彼のようにいろいろな障壁にぶち当たって挫折する人も多いかと思います。ただ、人生一度きりですし、自分のやりたいことをなんとしてもやり遂げたいという勇気があれば、彼のように一歩を踏み出すことができるのではないでしょうか。
私はこの映画を見終わったあとに転職したときのことを思い出しました。勇気さえあれば、今後の人生をいかようにも変えられるということを映画を通して再認識しました。
脱線しましたが、「トゥルーマンショー」はエンターテイメント作品で、コメディ要素もあります。お子さんと一緒に見れる映画でもありますね。
評価 7点
【映画レビュー】100倍返し「アジョシ」
「アジョシ」
キャスト
監督
出演
- ウォンビン (役名 チャ・テシク)
- キム・セロン(役名 ソミ)
- キム・ヒウォン(役名 マンソク兄弟の兄)
- キム・ソンオ(役名 マンソク兄弟の弟)
※私自身が印象深かった出演者を表示させていただいております。
あらすじ
テシク(ウォンビン)は質屋を営む、物静かな男。
近くに住む少女のソミ(キム・セロン)は定期的に質屋を利用していた。
ソミの母親は麻薬中毒者で、母親が麻薬を使用するときは、逃げるようにテシクのもとに遊びに来ていた。テシクとソミは少しずつ仲を深めていき、ソミはテシクのことをアジョシ(おじさん)と呼び親しみを持っていた。
ある日ソミの母親がヤクザの麻薬を盗んだことがきっかけで、ソミと母親は人身売買をしているマンソク兄弟に拉致されてしまう。
盗まれた麻薬を探しにテシクの元にもマンソク兄弟の手下が現れ、拉致を知ったテシクは、ソミを取り返すべくマンソク兄弟たちの追跡を開始する。
感想
この作品は劇的復讐エンターテイメント作品ですね。
ここまで壮絶な復讐劇が繰り広げられると気持ちがスカッとします。
私は韓流に疎いので、作品を見るまで知りませんでしたが、ウォンビンはものすごくかっこよいです。イケメン俳優の中で、好きな俳優はブラット・ピットやキアヌ・リーブスですが、彼らと並ぶ程のかっこよさだと個人的に思いました。もし見たことがない人はぜひこの作品の彼を見て欲しいです。
ストーリーの展開は王道の復讐劇スタイルですが、見事な脚本だと思いました。
キャラクター一人ひとりにしっかりとした個性があります。俳優陣もエンターテイメント作品としっかり理解した上での演技をしているように見えて、少し誇張した表情や体の動かし方が映画の雰囲気と合ってました。特にマンソク兄弟は兄も弟も極悪ですが、タイプの違った悪人で、どちらも不気味で恐ろしいです。
小さな伏線が張られているところもグッドでした。
マンソク兄弟や彼らを追う警察は、近くに住んでいた一人の男がなぜここまで事件に介入してくるのか。
マンソク兄弟の人身売買の裏事情。
テシクの戦闘能力はどこで磨かれたのか。
流れるようにストーリーが進むので、見終わったころにはあっという間に時間がすぎていました。
何も考えずに見たい・ストレス発散したい・イケメンを見たい人はぜひ鑑賞してみてください。
今回初の韓流映画の紹介でしたが、ほかにも面白い作品はたくさんあります。
「オールドボーイ」「ブラザーフッド」「JSA」などはいずれ紹介したいと思います。
意外と面白い作品に出会えることがあるので、時々見るようにしています。
評価 8点
【映画レビュー】勇気の独演「独裁者」
【独裁者】
キャスト
監督
出演
- チャールズ・チャップリン(役名 トメニア国の独裁者アデノイド・ヒンケル)(役名 ユダヤ人の床屋)
- ポーレット・ゴダード(役名 ハンナ)
- ジャック・オーキー(役名 バクテリア国の独裁者ベンツィーノ・ナパロニ)
- ヘンリー・ダニエル(役名 内相兼宣伝相ガービッチ)
-
レジナルド・ガーディナー(役名 シュルツ中佐)
※私自身が印象深かった出演者を表示させていただいております。
あらすじ
とある歴史上の物語。
国家のトップであるヒンケル(チャップリン)は、世界を我が物にしようとしていた。
ユダヤ人の迫害を始め、独裁者の名を広め始めていた。
ユダヤ人の床屋(チャップリン)は、第一次世界大戦を終え、床屋業を再建し始めていたが、迫害の元では再建もままならなかった。
ある時、容姿がそっくりであるため、国家のトップであるヒンケルと間違えられてしまう。
この事件をきっかけにユダヤ人である床屋はヒンケルとして扱われるようになる。
国民が集った集会場に案内された床屋はヒンケルの代わりに演説を行う羽目になってしまう。
感想
私が今まで素晴らしい作品など言っているが、10点をつけていなかった理由の一つにチャップリンという存在がありました。
彼の作品を差し置いて10点はつけれないと思ったからです。
点数をつけることそのものがおこがましいですが………。
チャップリンの他の作品は今後機会があればのせていきます。
彼の作品は素晴らしいとはほとんどの人が言うでしょう。
その多くの作品(全部見たわけではないが)の中でも私はこの『独裁者』が好きです。
ナチスドイツのヒトラーにおけるホロコーストの時代、その時代にヒトラー本人を演じ、映画にしたチャップリンに感服せざるを得ません。
この作品は1940年に作成されました。
この作品は人生で何度見ても考えさせられる映画です。
映画が好きな人も、嫌いな人も、白黒映画が嫌いな人も、一度は見て欲しいです。
チャップリンの映画特有の笑いを含んだ社会風刺。
笑いの先に奥深さがあります。
ヒンケルが地球儀で戯れる様子や自画像を書かせる様子など、当時の様子を滑稽に映し出した名シーンが沢山あります。
リアルタイムで当時の異様な様子を感じ取っていたのでしょうね。
それを映画にして放映するなんて、(何度も言いますが)勇気の塊ですね。
もし万が一、ドイツが戦争に勝っていたら確実にチャップリンはつるし上げられたでしょう。
私が好きなシーンはやはり最後の演説。
これは共感される方も多いと思います。
序盤から最後の演説までは、笑えるシーンを含みつつストーリーが進むのですが、最後は迫真の演説を魅せます。
映画史に残る素晴らしい作品だと思います。
繰り返し言いますが、古い映画・白黒映画だからと鑑賞を敬遠されている方、ぜひ見てください。
評価 10点(ほんとチャップリンの映画を評価するなんておこがましいが………)
【映画レビュー】見捨てられた自由「カッコーの巣の上で」
キャスト
監督
- ミロア・フォアマン
出演
- ジャック・ニコルソン (役名 ランドル・パトリック・マクマーフィー)
- ルイーズ・フレッチャー(役名 婦長ラチェッド)
- ブラッド・ドゥーリフ (役名 ビリー・ビビット)
- クリストファー・ロイド(役名 テイバー)
※私自身が印象深かった出演者を表示させていただいております。
あらすじ
マクマーフィー(ジャック・ニコルソン)は、刑務所への入所を避けるために、精神病患者を装い、精神病棟へ入院することになる。
今まで見てきた世間一般の人間とは違い、少し個性的な精神患者たちをみて、初めは戸惑うが、徐々に距離を縮めていく。
そして彼らが自由がない空間で生活をしていることを知ることになる。
マクマーフィーは看護婦長であるラチェットに反抗的な態度をとり、周りの精神患者たちも同様にふるまい始め、反抗は少しずつ大きくなっていく。
そして、あるクリスマスの夜、ついにマクマーフィーたちは病棟で宴会を始める。
宴会騒ぎが終盤に差し掛かったとき、マクマーフィーに病棟を脱走する絶好の機会が訪れる。
感想
この作品は1975年に作成された映画です。
精神病患者に自由がなかった時代を描いています。
私は3年ほどこの映画を見よう×2と思っていたのですが、なかなか鑑賞できず、やっと見ることができました。
私がなかなか重い腰が上がらなかった理由としては、まず先の情報として少し重たい話で、考えさせられる映画と聞いていたからです。
今思えばなぜ早く見なかったのだと後悔してます。笑
確かに重たい話ですが、内容は分かりやすく、取っつきやすいです。
時代背景を知らなくても楽しめます。
最初は、刑務所入りを免れるために精神科病棟に入ったマクマーフィーと精神患者たちとの交流から始まり、彼は精神病患者たちに親近感を覚えていきます。
マクマーフィーは、彼らの心の中に外の人間と同じような気持ちがあることを知っていきます。
「そこら辺を歩いてるアホといっしょだろ?本当にみんなこれが自由だと思ってるのか?信じられない、、、。」というニュアンスのセリフがありますが、精神病患者が外へ出ようとしない、出られない状況を批判します。
健常者と変わらない一面を知って、彼らと親交を深めて行きます。
病気の治療のために、自由に生活できない、縛られたルールを管理する看護婦長のラチェットが怖い×2。
映画が進むにつれてどんどん憎くなっていきます。
精神病患者たちの反抗に対して、冷静さを装い
、怒りの感情を看護師としての権力を使用して彼らにぶつけていきます。
ジャック・ニコルソンの演技が素晴らしすぎます。
何年も前の映画ですが、鑑賞した次の日に誰かへ話したくなるほど鳥肌が立ちました。
特に30秒だけ無言となり、表情だけのシーンがあるのですが、悲しみ・決意・同情・怒りなど様々な感情が入り混じった様子を演じきっています。
私の映画史に残る名シーンの中の一つと言っても良いです。
この映画の時代背景を知って見ると、より映画内容が分かりやすいです。この時代の精神病患者や精神医学で何が行われていたのか非常に勉になりました。ロボトミー術や歴史のバイブルとしても価値のある作品です。
ロボトミー術に対して、いろいろ考えさせられました。昔にこんな手術をしていたなんて、この映画をみるまで知りませんでした。ロボトミー術に関しては、いろいろなサイトを見てみて下さい。
医療は間違った方向に進むと、犯罪と紙一重になるのだと感じました。
評価 8点
【映画レビュー】Welcome to 宇宙「2001年宇宙の旅」
キャスト
監督
出演
- キア・デュリア(役名 デヴィッド・ボーマン船長 )
- ゲイリー・ロックウッド(役名 フランク・プール )
- ウィリアム・シルベスター (役名 ヘイウッド・R・フロイド博士 )
- ダグラス・レイン(役名 HAL 9000)
※私自身が印象深かった出演者を表示させていただいております。
あらすじ
紀元前、人間の先祖である猿人は、他の生物と変わらず、野性的な生活を送っていた。
ある日、彼らの前に巨大な黒い板が舞い降りる。
それはモノリスと呼ばれる進化の起源であった。
彼らはモノリスに触れると、手を利用して道具を使用することができるようになり、急速な進化を開始させる。
時は現代に戻り、道具を使用することで進化した人間は、宇宙を旅できるまでの科学に達していた。
月面を調査していた人類は、そこで再びモノリスを発見する。
人類がモノリスに触れた瞬間、モノリスからある方向に向かって磁気を発し始める。
それを確認した人類は、磁気の方向に向かい、調査隊を派遣することとなる。
人類はさらなる進化を目前にしていた。
感想
初めてこの映画を見たとき、ものすごいものを見てしまった、という印象を持ったことを覚えています。
スタンリー・キューブリックの写し出す宇宙にどっぷりと浸からせていただきました。
見たことのない宇宙の不思議さを存分に感じさせてくれます。
映像の美しさや音響を巧みに使用することによって、宇宙を表現しています。
とても1968年に作成された映画とは思えません。
宇宙空間では、無音のシーンとクラシック音楽を使用するシーンが絶妙に絡み合い、幻想的な雰囲気となっています。
1つ言いたいのはクラシック音楽の選曲の良さ!
「ツゥラトゥストラはかく語りき」「レクイエム」「美しき青きドナウ」
この映画のために作られた曲だと思ってしまうほどです。
そして無音のシーンでは、登場人物が発する音や機械の音しか聞こえず、まるでそこにいるかのような緊張感を味わうことができます。ホラー映画よりも怖い場面があります。
タイトルにもつけましたが、まさにWelcome to 宇宙で、行ったことのない宇宙の冒険へキューブリックが連れて行ってくれます。
もし興味があるなら生きている間に一度でもいいので、見ることをおすすめします。
私が一番好きなシーンは、冒頭で猿人が道具を宙に投げるシーンです。
投げられた道具は宇宙船へと変わり、紀元前から現代に話が変わるのです。
そしてそこから流れる「美しき青きドナウ」。このシーンを見たときは鳥肌が立ちました。
さて私とキューブリック監督との出会いについて少し話すと。
初めて彼の作品で見たのが「シャイニング」という映画でした。その時は、個人的に面白くなかったため、キューブリック監督に対して、自分の感性とは合わないと勝手に思っていたのが最初の印象でした。
しかし、あまりにもファンが多く、彼のことを高評価しているコメントを見て、ほかの作品も見てみようと思いました。「時計仕掛けのオレンジ」「博士の異常な愛情」「アイズワイドシャット」そして「2001年宇宙の旅」を鑑賞し、最初の印象はくつがえりました。(笑)
独特な雰囲気やクラシック音楽と映像の調和は、他の映画では味わえない魅力があります。そして一つ一つの映画内容も濃いこと濃いこと。作品ごとに鑑賞者へのメッセージや問題提起が含まれています。
現在では私もキューブリックのファンとなりました。
日本で園子温という映画監督がいます。彼はキューブリックの影響を受けており、作品の雰囲気も似ています。彼の作品を見たことがある人は、イメージがしやすいかもしれませんね。
「2001年宇宙の旅」に戻ると、ラストに進むにつれて、内容がわかりずらくなっていきます。私も映画を見た後は何の話だったか分からなく、様々な評論を読み、やっと自分なりの解釈ができました。
ただ、それを補ってあまるほどの映像と音楽の美しさがあるんです。
そして見るごとに新たな発見や魅力に気づくことができます。
あと、映画自体は長いですが、前編と後編に分かれており、忙しい方は分けて鑑賞することもできます。
評価 7点(この映画は見るごとに点数が上がっていく作品だと思います。私も機会があれば何度か見ていきたいです。)
この点数に関して、「いやそんな高くないでしょ。」や「そんなことねぇ、もっと高評価でしょうが。」という意見がある方はどしどしコメントお待ちしています。