【映画レビュー】2大スター演技の衝突「ファイト・クラブ」
【ファイト・クラブ】
キャスト
監督
出演
- エドワード・ノートン (役名 なし (ナレーター))
- ブラッド・ピット (役名 タイラー・ダーデン)
- ヘレナ・ボナム=カーター (役名 マーラ・シンガー )
- ミート・ローフ (役名 ロバート・ポールセン(ボブ))
- ジャレッド・レト (役名 エンジェル・フェイス)
※私自身が印象深かった出演者を表示させていただいております。
あらすじ
ナレーターである「僕」(エドワード・ノートン)は、車のリコール査定をする平凡なサラリーマン。アメリカ国内を飛行機で飛び回っていた。移動時間による時差やストレスにより、睡眠障害に悩まされているところから物語は始まる。
彼は病院に助けを求めるが、医師は自然な睡眠をとるように促して薬は処方してくれない。医師に「眠れない生活が地獄だ。」と伝えると、「本当の地獄は他にある、睾丸癌患者のサポートグループの会に参加してみなさい。」と返される。
そんな訳で睾丸癌患者のサポートグループに参加してみることに、すると実際に癌ではないのに、2人でのディスカッションで彼は大泣きをしてしまう。
すると不思議と気持ちがすっきりとし、その夜はぐっすり眠ることができた。
それが癖になり、彼は様々なサポートグループに毎日のように参加し始める。
しかしある時、女性であるマーラ(ヘレナ・ボナム=カーター)が自分と同じようにサポートグループに参加するようになる。自分と同じく、病気でもないのに参加している彼女を見て彼はサポートグループで泣けなくなり、再び不眠症が進行してしまう。
そんな時、ある飛行機の中でタイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)と出会う。
フライト中の短いやりとりだったが、会話が弾みタイラーに少し好意を抱く。
その夜、「僕」は家に帰ると不運にもマンションのガス漏れが原因で部屋が全焼してしまう。彼が長年に渡り集めてきた自慢の家具や洋服はすべて吹っ飛んでしまった。
泊めてくれる友達もおらず、行く当てがない彼は、飛行機で話したタイラーからもらった名刺を思い出し、連絡しBARで飲むこととなる。
自分と正反対の性格のタイラーは、自由奔放でものに縛られない性格であり、彼に対する好意はさらに高まる。
帰り際に、泊まるところのない「僕」は、タイラーに泊めてほしいことを伝えるが、その条件にタイラーは自分のことを思いきり殴って欲しいと言い始めた。仕方なくタイラーを殴るが、仕返しに殴り返してきて、2人は殴り合いを始める。
それが快感になった。
日々のやりようのないストレスを発散する場が、サポートグループから殴り合いへと変わる。
2人は飲んでいたBARの近くで会っては殴り合いをしていたが、BARから出てきた客が集まり、一緒に参加するようになり、少しずつ規模が大きくなっていく。
殴り合いでストレスを発散するグループ「ファイト・クラブ」が結成された。
感想
なんといってもまず注目なのはエドワード・ノートンとブラッド・ピットの
2大スターの競演であるということです。
この二人の演技力は非常に高いと私は思います。エドワード・ノートンは実力派俳優として有名になり始めていた頃で、一方ブラッド・ピットも演技力に磨きがかかり「セブン」や「12モンキーズ」で高評価を得ていた時期でした。そんな2人がこの時期に競演していたというは非常に面白いです。
特にエドワード・ノートンの睡眠障害で苦しむ演技は見事でした。
脚本の方もよく考えられており、一つ一つのやり取りに伏線が張り巡らされており、非常に楽しめる構造です。
サポートグループを通して出会うマーラの存在が、重要な役目の一つで、作品をよりミステリアスな雰囲気に変えています。
マーラとの関係。
タイラーとの関係。
自分の存在。
物語が進むにつれて拡大していく「ファイト・クラブ」。
その真相とは、、、。
ブラッド・ピットはやっぱり超かっこいいですね。本能のままに生きるタイラーを演じきっていました。仕草や鍛え抜かれた肉体に男女ともに魅入ること間違いなしです。
そして先ほど伏線が張り巡らされているといいましたが、1度見ただけでは分からない面白さがあるのがこの作品の魅力の1つでもあります。2回見た方が良いというわけではなく、1回目でも2回目でも楽しめます。
私は10年ほど前にこの作品を見たときよりも面白かったです。
改めて脚本の完成度や俳優陣の演技力が高いと思いました。
デヴィット・フィンチャー監督の中でも上位に入る映画です。しかしこの監督もまた「セブン」や「エイリアン3」で名を上げ始めていた時期であるということを考えると、監督も俳優もなんてタイミングの良い時に出会っているのだろうと思いました。
物語とは直接関係ないですが、タイラーのセリフに「お前は物に支配されてる。そんな物捨ててしまえ。」というニュアンスのセリフがあります。自分の生活を振り返った時に自分もそういう一面があるなぁ、と思いました。所有欲という言葉がありますが、物は物で本当に必要な物って実はそこまで多くないのかもしれません。タイラーまで行くと大げさですが、自分も必要な物、特に道具を見極められる人になりたいと思いました。
ちなみにこの記事を書くにあたって俳優を調べていたら、ジャレット・レトが出演していることを知り驚きました。俳優をしているということは知っていましたが、全く気づけなかったし、まさか「ファイト・クラブ」に出ているとは思いませんでした。
ジャレット・レトは 30 second to marsというバンドのボーカルで有名です。とてもきれいで伸びのある声で私も好きな曲は多いので、本記事とは関係ないですが興味のある方は聞いてみることをおすすめします。
以上少し脱線しましたが「ファイト・クラブ」おすすめです。
アクション・サスペンス好きな方は見てみてください。
評価 7点(10年前に初見の時は6点でした。)