【映画レビュー】Welcome to 宇宙「2001年宇宙の旅」
キャスト
監督
出演
- キア・デュリア(役名 デヴィッド・ボーマン船長 )
- ゲイリー・ロックウッド(役名 フランク・プール )
- ウィリアム・シルベスター (役名 ヘイウッド・R・フロイド博士 )
- ダグラス・レイン(役名 HAL 9000)
※私自身が印象深かった出演者を表示させていただいております。
あらすじ
紀元前、人間の先祖である猿人は、他の生物と変わらず、野性的な生活を送っていた。
ある日、彼らの前に巨大な黒い板が舞い降りる。
それはモノリスと呼ばれる進化の起源であった。
彼らはモノリスに触れると、手を利用して道具を使用することができるようになり、急速な進化を開始させる。
時は現代に戻り、道具を使用することで進化した人間は、宇宙を旅できるまでの科学に達していた。
月面を調査していた人類は、そこで再びモノリスを発見する。
人類がモノリスに触れた瞬間、モノリスからある方向に向かって磁気を発し始める。
それを確認した人類は、磁気の方向に向かい、調査隊を派遣することとなる。
人類はさらなる進化を目前にしていた。
感想
初めてこの映画を見たとき、ものすごいものを見てしまった、という印象を持ったことを覚えています。
スタンリー・キューブリックの写し出す宇宙にどっぷりと浸からせていただきました。
見たことのない宇宙の不思議さを存分に感じさせてくれます。
映像の美しさや音響を巧みに使用することによって、宇宙を表現しています。
とても1968年に作成された映画とは思えません。
宇宙空間では、無音のシーンとクラシック音楽を使用するシーンが絶妙に絡み合い、幻想的な雰囲気となっています。
1つ言いたいのはクラシック音楽の選曲の良さ!
「ツゥラトゥストラはかく語りき」「レクイエム」「美しき青きドナウ」
この映画のために作られた曲だと思ってしまうほどです。
そして無音のシーンでは、登場人物が発する音や機械の音しか聞こえず、まるでそこにいるかのような緊張感を味わうことができます。ホラー映画よりも怖い場面があります。
タイトルにもつけましたが、まさにWelcome to 宇宙で、行ったことのない宇宙の冒険へキューブリックが連れて行ってくれます。
もし興味があるなら生きている間に一度でもいいので、見ることをおすすめします。
私が一番好きなシーンは、冒頭で猿人が道具を宙に投げるシーンです。
投げられた道具は宇宙船へと変わり、紀元前から現代に話が変わるのです。
そしてそこから流れる「美しき青きドナウ」。このシーンを見たときは鳥肌が立ちました。
さて私とキューブリック監督との出会いについて少し話すと。
初めて彼の作品で見たのが「シャイニング」という映画でした。その時は、個人的に面白くなかったため、キューブリック監督に対して、自分の感性とは合わないと勝手に思っていたのが最初の印象でした。
しかし、あまりにもファンが多く、彼のことを高評価しているコメントを見て、ほかの作品も見てみようと思いました。「時計仕掛けのオレンジ」「博士の異常な愛情」「アイズワイドシャット」そして「2001年宇宙の旅」を鑑賞し、最初の印象はくつがえりました。(笑)
独特な雰囲気やクラシック音楽と映像の調和は、他の映画では味わえない魅力があります。そして一つ一つの映画内容も濃いこと濃いこと。作品ごとに鑑賞者へのメッセージや問題提起が含まれています。
現在では私もキューブリックのファンとなりました。
日本で園子温という映画監督がいます。彼はキューブリックの影響を受けており、作品の雰囲気も似ています。彼の作品を見たことがある人は、イメージがしやすいかもしれませんね。
「2001年宇宙の旅」に戻ると、ラストに進むにつれて、内容がわかりずらくなっていきます。私も映画を見た後は何の話だったか分からなく、様々な評論を読み、やっと自分なりの解釈ができました。
ただ、それを補ってあまるほどの映像と音楽の美しさがあるんです。
そして見るごとに新たな発見や魅力に気づくことができます。
あと、映画自体は長いですが、前編と後編に分かれており、忙しい方は分けて鑑賞することもできます。
評価 7点(この映画は見るごとに点数が上がっていく作品だと思います。私も機会があれば何度か見ていきたいです。)
この点数に関して、「いやそんな高くないでしょ。」や「そんなことねぇ、もっと高評価でしょうが。」という意見がある方はどしどしコメントお待ちしています。