【映画レビュー】見捨てられた自由「カッコーの巣の上で」
キャスト
監督
- ミロア・フォアマン
出演
- ジャック・ニコルソン (役名 ランドル・パトリック・マクマーフィー)
- ルイーズ・フレッチャー(役名 婦長ラチェッド)
- ブラッド・ドゥーリフ (役名 ビリー・ビビット)
- クリストファー・ロイド(役名 テイバー)
※私自身が印象深かった出演者を表示させていただいております。
あらすじ
マクマーフィー(ジャック・ニコルソン)は、刑務所への入所を避けるために、精神病患者を装い、精神病棟へ入院することになる。
今まで見てきた世間一般の人間とは違い、少し個性的な精神患者たちをみて、初めは戸惑うが、徐々に距離を縮めていく。
そして彼らが自由がない空間で生活をしていることを知ることになる。
マクマーフィーは看護婦長であるラチェットに反抗的な態度をとり、周りの精神患者たちも同様にふるまい始め、反抗は少しずつ大きくなっていく。
そして、あるクリスマスの夜、ついにマクマーフィーたちは病棟で宴会を始める。
宴会騒ぎが終盤に差し掛かったとき、マクマーフィーに病棟を脱走する絶好の機会が訪れる。
感想
この作品は1975年に作成された映画です。
精神病患者に自由がなかった時代を描いています。
私は3年ほどこの映画を見よう×2と思っていたのですが、なかなか鑑賞できず、やっと見ることができました。
私がなかなか重い腰が上がらなかった理由としては、まず先の情報として少し重たい話で、考えさせられる映画と聞いていたからです。
今思えばなぜ早く見なかったのだと後悔してます。笑
確かに重たい話ですが、内容は分かりやすく、取っつきやすいです。
時代背景を知らなくても楽しめます。
最初は、刑務所入りを免れるために精神科病棟に入ったマクマーフィーと精神患者たちとの交流から始まり、彼は精神病患者たちに親近感を覚えていきます。
マクマーフィーは、彼らの心の中に外の人間と同じような気持ちがあることを知っていきます。
「そこら辺を歩いてるアホといっしょだろ?本当にみんなこれが自由だと思ってるのか?信じられない、、、。」というニュアンスのセリフがありますが、精神病患者が外へ出ようとしない、出られない状況を批判します。
健常者と変わらない一面を知って、彼らと親交を深めて行きます。
病気の治療のために、自由に生活できない、縛られたルールを管理する看護婦長のラチェットが怖い×2。
映画が進むにつれてどんどん憎くなっていきます。
精神病患者たちの反抗に対して、冷静さを装い
、怒りの感情を看護師としての権力を使用して彼らにぶつけていきます。
ジャック・ニコルソンの演技が素晴らしすぎます。
何年も前の映画ですが、鑑賞した次の日に誰かへ話したくなるほど鳥肌が立ちました。
特に30秒だけ無言となり、表情だけのシーンがあるのですが、悲しみ・決意・同情・怒りなど様々な感情が入り混じった様子を演じきっています。
私の映画史に残る名シーンの中の一つと言っても良いです。
この映画の時代背景を知って見ると、より映画内容が分かりやすいです。この時代の精神病患者や精神医学で何が行われていたのか非常に勉になりました。ロボトミー術や歴史のバイブルとしても価値のある作品です。
ロボトミー術に対して、いろいろ考えさせられました。昔にこんな手術をしていたなんて、この映画をみるまで知りませんでした。ロボトミー術に関しては、いろいろなサイトを見てみて下さい。
医療は間違った方向に進むと、犯罪と紙一重になるのだと感じました。
評価 8点